水力発電と水利システム

HYDRO POWER & IRRIGATION SYSYTEM

水力発電

レゾナック・グラファイト・ジャパンでは3カ所の水力発電所(青木、常盤、広津)を有しています。
広津発電所と常盤発電所は、77年間使用してきた水車と発電機・制御システムを2016年に一新し、青木発電所は63年間使用した水車と発電機・制御システムを2017年に一新しました。また、導水路は毎年、定期的な点検と保全工事を行っています。これにより、今後の80年以上も継続して水利システムが運営できる設備を維持し、地域の皆様と共に持続可能な運営を行っていきます。

青木発電所

設立
1954年
最大出力
10,060kw
有効落差
284m
最大水量
4.0m³/s
青木発電所

常盤発電所

設立
1941年
最大出力
11,400kw
有効落差
69m
最大水量
17.8m³/s
常盤発電所

広津発電所

設立
1940年
最大出力
20,800kw
有効落差
202m
最大水量
11.4m³/s
広津発電所

水利システム

水利システムは、大町事業所の広津発電所完成(1939年)から青木発電所完成(1954年)で出来上がり、水利権許可をベースに地域の水を農業・生活・発電用水に利用するシステムです。レゾナック・グラファイト・ジャパンが自前で運営を行っています。

この水利システムは大町市が進めている 「SDGs未来都市計画」 の基盤システムとして紹介され、大町市、池田町、松川村、安曇野市(明科、穂高)の地域活動に貢献しています。

水利システムの役割

大町市の河川は水の保水力の低い地質の扇状地にあります。 そのため、水利用システムが出来るまでは降雨等の水の多くが地下に潜ってしまい灌漑のための水の安定的確保が難しい状況にありました。 このシステムは、長い導水路により発電用水を確保すると同時に、水の少ない地域へ農業用水を有効に送るのが主な役割です。

36kmの導水路
約36kmの長い導水路を利用して、取水の難しい地域へ安定的に農業用水・生活用水を送ります。
700mの高低差
約700mの高低差を利用して3つの発電所で水力発電を行います。
雨の多い時期
大雨による洪水の恐れがあるときは、被害を防ぐため導水路をフル活用
雨の少ない時期
渇水期は農業用水を優先取水して安定供給を確保(発電用水は大きく減少)

上流にダムを持たない農具川は、このシステムによる青木湖や木崎湖の取水量の調節によって、災害の発生を最小限に出来ます。
また、鹿島川の冷たい水が、一旦青木湖に放流されて導水路を通って灌漑に使うまでに水温が上昇します。このため、大町地区に多くの開拓地が出来たのです。
レゾナック・グラファイト・ジャパンは導水路の水量調整・維持・管理をしています。
この様に農業、企業はもちろん、市民生活にも多くのメリットを持つシステムです。